利き手

喫煙所での出来事

ヤングなカップルが仲良くタバコを吸ってたのだが、彼氏が「なんで右利きなのに左手でタバコ吸ってるの?」と彼女に聞いた。

彼女が「えーだって左でタバコ持てば右手で手ぇつなげるじゃん!」と彼氏に抱き着きながら答えた。(燃焼物を持ちながらいちゃつくンじゃァない)

「ふーんタバコ持ちづらくない?」事も無げに答える。

「でもスマホとか触りながらタバコ吸う人って左手で吸う癖あると思うよ」

俺は気が付くと視界を自分の左手に移していた。

確かに

周りを見渡せばスマホを触る習慣がありそうな若年層は実際スマホをいじりながら左でタバコを吸っているし、同僚と喋りながらタバコを吸う中高年のサラリーマンは右手でタバコを吸っていた。(利き手は腕時計のつけている方で推測)

何気ない会話だったが、なんだかすごいことに気づかされたような気分だった。

そんな割とどうでもいいことに気づかされて感銘を受けている自分をよそに、二人はタバコを持っていなかった綺麗なお手てを繋いで夜の繁華街に消えていった。

 

ところでこの握りしめた利き手の拳はどうすれば良いのだろうか…